こんにちは。
池袋を拠点に関東一円で原状回復工事・内装工事を手がけているオフィス回復ドットコムです。
現場では「ここ逃がしておいて」「5ミリ逃がそうか」
という会話を耳にすることがあります。
でも「逃げ」と聞いても、
内装工事に関わったことがない方にはイメージしづらいですよね。

そこで今回は、現場でよく使われる「逃げ」について、初心者向けにわかりやすく解説します。
「逃げ」ってなに?

内装工事でいう「逃げ」とは、
あとで困らないように余裕を持たせることです。
例えば古くなってきた建物で
「ドアが床に擦る」
「閉まりにくい」
「枠に当たる」
といった経験はありませんか?
実はこうした現象は、建物のゆがみや材料の伸縮などが原因で起こることがあります。
建物や材料は、時間の経過や温度変化によって少しずつ動くためです。
そのため内装工事では、最初からすべてをピッタリ施工するのではなく、
あらかじめ余裕を持たせて施工することがあります。
この考え方を「逃げ」と呼びます。
「逃げ」は隙間のこと?
これは半分正解で、半分違います。
確かに「逃げ」を作るために隙間を空けることはあります。
しかし、現場でいう「逃げ」は隙間そのものを指す言葉ではありません。
例えば、
【ドアの場合】
ドアと枠の間に少し余裕を作る→逃げ
【配管の場合】
配管を避けて下地を組む→逃げ
【石膏ボードの場合】
材料の動きを考慮して施工する→逃げ
つまり、逃げを作る方法は一つではないんです。
「逃げ」の具体的な例
実は現場で使う「逃げ」はかなり幅広い言葉です。
共通しているのは、
何か問題が起きないように余裕を持たせるという考え方。
では実際にはどんな事例があるのかを見てみましょう。
以下を読んで頂くことで、イメージがしやすくなるはずです!
① ぶつからないための「逃げ」

例えば、
- 壁を作る石膏ボード
- ドアやドア枠のまわり
- 壁と別の材料の境目
などは、材料同士がぶつからないように少し余裕を持たせて施工することがあります。
もし壁を作る石膏ボードを余裕がまったくない状態で施工すると、
建物の動きによってボード同士が押し合い、ひび割れの原因になることがあるんです。
② 障害物をよけるための「逃げ」

壁や天井の中には、
- 水道管や排水管などの配管
- 空気を通すためのダクト
- 建物を支える太い梁(はり)
などがあることがあります。
配管の位置を考えずに施工すると、
下地やボードが配管にぶつかり施工できなくなることも。
こうした障害物にぶつからないよう、避けながら施工することも「逃げ」のひとつです。
③ 図面どおりじゃなくても大丈夫なようにする「逃げ」

建物は図面どおりにできているとは限りません。
例えば壁の長さを測ると、
・上は2,000mm
・下は2,003mm
のように少し違うことがあります。
そんなとき、図面だけを見て作ってしまうと部材がちゃんと入らないことがあるんです。
そこで現場では、少し調整できる余裕を考えながら施工していきます。
④ 建物が動いても困らないための「逃げ」

建物や材料は、一度完成したらずっと同じ形のままではありません。
季節の変化や温度変化によって、湿気を吸って少し膨らんだり、乾燥して少し縮んだりすることがあります。
また、地震や強風などの影響でも目には見えなくてもわずかに動くことがあるんです。
そのため、この場合も最初から少し余裕を持たせておくことで、
壁のひび割れや材料同士がぶつかることを防いでいます。
⑤ 職人同士の会話でも使われる「逃げ」

現場では、
「そこ少し逃がしておいて」
「5ミリ逃げといて」
といった会話をすることがあります。
この場合、必ずしも「5ミリの隙間を作る」という意味ではありません。
「後で困らないように少し余裕を見て施工しよう」という意味で使われることもあります。
このように「逃げ」は、職人同士の日常会話でもよく登場する言葉です。
「逃げ」がないとどうなるの?
もし図面どおりに、すべてをピッタリ施工するなど…
「逃げ」を考えずに施工すると、どうなるのでしょうか?
ドアが開け閉めしにくくなったり、壁や石膏ボードにひびが入ったりなど、
トラブルにつながることがあります。
その結果、壁や部屋全体の見た目が悪くなるだけでなく
場合によってはやり直しや補修などで設備工事が予定どおり進まないこともあるんです。
そのため、実際には少し余裕を持たせた方が長く使いやすい空間になることも少なくありません。
「逃げ」における大切なポイントは?

「逃げ」は、ただ隙間を空ければいい良いというものではありません。
これまでもお伝えしている通り、
逃げが少なすぎればドアが当たったり、壁にひびが入ったりする原因にもなります。
反対に、逃げが大きすぎれば、隙間が目立ったり、仕上がりが悪く見えたりすることも。
つまり大切なのは、
その場所に合ったちょうど良い逃げを作ること。
この時に「どこにどれくらいの余裕が必要なのか?」は
現場の状況によって変わります。
そのため職人さんは、図面だけでなく建物の状態や材料の特徴も見ながら決めています。
普段は完成すると見えなくなる部分ですが、
こうした経験や判断の積み重ねが、きれいで長持ちする空間づくりにつながっているのです。
「逃げ」は見えないけれど大切な工夫
完成した後、お客様が「逃げ」を目にすることはほとんどありません。
しかし、
ドアがスムーズに開くこと
壁が割れにくいこと
設備が問題なく納まること
こうした”当たり前”を支えているのが「逃げ」です。
つまり、「逃げ」とは、きれいに仕上げるための手抜きではなく、
将来のトラブルを防ぐための工夫。
これが内装工事で使われる「逃げ」の考え方です。
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